「失礼します!」 
教員室の扉を開けたレオンは、先程の教室での生徒達と
同じ光景を目の当たりにした。
クララもそれを見て眉間に皺を寄せた。
二人は、コーヒーを手にしたままのアメリアの横を通り、
フランシスの机を探したが、そこには、机の前でペンを持ったまま、
固まっているフランシスの姿があった。
クララは、彼の書き掛けたメモを手にして、レオンと共に見た。
そこには、『時間柱に何か生じたらしい…皆無事であってくれ…』と
走り書きで書かれていた。レオンは右手で拳を作り、左手の平に当て、唇を噛みしめた。
クララは、リディアの姿が無い事に気がついた。
「レオンさん、リディア先生がご無事なら、この状況が判ります!」
「そうだなクララ、図書室に行ってみよう!」
二人は図書室に足を運んだ。道中、レオンは考えた。
(何で、クララと俺だけ動けるんだ…?)
一方のクララも、似たような事を考えていた。
(レオンさんと私だけ、こうして動けるのはどうして…?)
二人は図書室の扉を開け放った。

「いた!リディア先…せい?」
リディアも他の生徒や教師と同じく、本を手にしたまま微動だにしない。
そこへ、クララのマジックエッグが、何か書かれたメモを頭(?)に乗せて
跳ねて来た。レオンはメモを手にした。
 「…時間柱は、破壊されるとあらゆるものの動きを止める…だって?何て事になっちまったんだ!」


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