レオンは、ドロップが柱を壊した原因だった事を告げ、
おしおきを受ける身構えをしたが、フランシスもリディアも、
ただ笑っているだけだった。
「ペットの暴走なら仕方ないよ。レオン、よく頑張ったな」
「そうですわレオン君。そして、クララちゃん…ありがとうね」
フランシスとリディアは、それぞれ右手の平から金色のメダルを1枚づつ出し、フランシスはレオンに、リディアはクララに手渡した。
『キュー♪(うおっしゃあ♪)』
「うおっしゃあ!!ありがとうフランシス先生!!」
「嬉しいです、ありがとうございます、リディア先生!!」
二人は頭を下げ、大喜びで教員室を去った。
残されたフランシスは、リディアを見た。
「しかしあの二人、本当に頑張りましたね」
リディアもフランシスを見た。
「本当に…やだ、涙出てきました…」
思わず泣きじゃくるリディアの肩を、フランシスはやさしく叩いた。

 その日の夕食後。全寮交流室で、クララはレオンを探していた。その時、廊下の反対側からレオンもやって来た。
「クララ、探したぞ」
「私もです、レオンさん。ちょっとバルコニーに出ませんか?」
「そうだな、星も綺麗だし」
「星…本当ですね…綺麗ですね…」
二人は室外にあるバルコニーに出て、ベンチに腰掛けた。夜風が二人を包む。クララは、レオンのブレザーを借りたままであった事を詫び、リボンタイと共に丁寧にたたんでレオンに手渡した。レオンはブレザーを羽織り、リボンタイをブレザーの胸ポケットにしまった。クララは頬を赤くして口を開いた。


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